殻２

俺は今現在、全く貯蓄というものを行っていない。

俺が今、病気や怪我で入院する羽目にでもなったら、いっかんの終わりだ。
それだけ、かつかつの財政状態だ。

あれば消費してしまう俺のだらしなさに、我ながら嫌気が差す。
それは、人に頼らず、カネという手段を使ってモノに頼っている愚かな姿である。

俺は、それをわかってはいるのだが実はわかっていないのだろう。
それを本当に理解するには、実際に人の輪に入っていかなければいけない。

だが俺は、どうしてもそれが出来ない、したくない。
なぜなら、何度も繰り返すが、己の透明で不自然な存在さが、一層際立ってしまうからだ。

あの独特な、針のむしろのような居づらさは、経験した者でないとわからない。
俺はもう二度と、あのような空気の中に身を置きたくない。

結局俺は、一生自分の殻に閉じこもって生きていかなければならないのだ。