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ハンコ

俺は、他者に何の印象も与えない。
そこには、プラスな印象はおろか、マイナスな印象さえも存在しない。
つまり、俺というハンコは、どんなに朱肉をつけどんなに力強く押しても、その陰影があらわれることはなく、その痕跡さえ残らないのだ。
これが俺にとって、どれほど苦痛であり生きにくいものなのか、それは誰にも理解することは出来ない。
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