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発症

中学高校のあたりから、俺は少しおかしかった。

クラスにいてもいなくても気が付かれない人間が、たいてい何人かはいるものだ。
俺は、まさにそういう存在だった。

それでもその時は、今ほど深刻に考えてはいなかった。
それが如実に現れてきたのは、大学卒業後初めて就職した会社だった。

その会社の入社時に行われたオリエンテーリングで、俺は激しい違和感を覚えた。
誰とも仲良くなれず、居づらかった。

仕事を始めてからも、俺の周囲には人が寄り付かなかった。
その傾向は、年を追うごとに顕著になった。

俺は、仕事の忙しさを理由にして、その違和感を感じながらも気付かないフリをしていた。
だが、そのごまかしも長くは続かず、完全に俺の居場所は無くなり、結局5年で退社した。

今思えば、俺はその頃から仮面うつ病だったのかもしれない。
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