悪循環

俺は、どんな人間といても、息苦しさを感じる。

なんとか会話を成立させなければと、必死になってしまうのだ。

その必死さをごまかそうとして、なお一層息苦しくなり、自然体でいられなくなる。

俺は人と接すると、この悪循環から逃れられない。

聖母マリア

俺には、心を許せる人間がいない。

多くの場合、それは家族で会ったり親友であったり恋人であったりするのだろう。
俺は、結果的にそのどれをも得ていない。

心が安らぐひとときが無いのだ。
どんな相手とも、俺は打ち解けられない。

もし俺が心を許せたとしたら、その相手はおそらく聖母マリアのような人間だろう。

人格

年が変わったって、何も変わりやしない。

俺のこの、空虚な生活は依然続行されるのだ。
それが変化する兆しなど、微塵も感じない。

自分を変えるとかいう、おとぎ話のような発想は、俺には通用しない。
何十年とかけて形成された俺の人格は、もう変える事など不可能なのだ。

透明な存在は、どうあがいても透明な存在だ。
来年の今頃も、きっと同じような言葉を俺は吐いているだろう。

自殺行為

俺はもう、人と会ってはいけない気がする。

こんな未熟な俺にとって、誰かと時間と場所を共有するなどという行為は、自殺行為に等しい。
そんな事を実行すれば、己のコミュニケーション能力の稚拙さが、より如実に浮き出るだけだ。

今まで俺は、そんな行為を繰り返し、その度に自信を無くしてきた。
自信なんてものは、もうとっくにそのカケラも無いが、これ以上自分の首を絞めたくはない。

俺は一生、人から逃げ続けなければならないのだ。