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ベース

俺は、家庭の団欒というものを経験していない。

人は、家庭という初めてその身を置く社会で、様々な物事を学び、またその社会がよりどころとなる。
そしてそれがベースとなり、一人前の人間になる。

だが俺には、そのベースが無い。
人間にとって、これほど大きなダメージは他には無い。

要するに、俺は基礎が出来ていないのだ。
基礎がなっていない状態で、実社会に出てしまい、俺という人格は崩壊した。

そのような状態で、今さら家庭らしさを求められても、俺は困惑するだけであり、また苦痛をも感じる。
50年という歳月をかけて出来あがった、ベースの無い俺のような人間には、もう手の施しようが無いのだ。
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現実

俺は、精神障害者だ。

他者とコミュニケーションが取れないという、致命的な障害を負ってしまった。
この社会を生きていく上で、これほどたちの悪い障害は他にはない。

物理的な障害であれば、知恵と工夫でなんとかなる場合が少なくない。
社会的な理解も、得られやすい。

だが、「僕は精神障害者です」と言っても、社会はそれに対して困惑し、どう対応していいのかわからず敬遠する。
したがって、俺のような人間はますます口を閉ざす。

だからと言って、社会に対してこうして欲しいという要求も、俺の頭には浮かばない。
そしてもし俺が逆の立場でも、俺は俺のような人間を敬遠してしまうだろう。

それが現実だ。
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