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どうでもいい

市役所の広報スピーカーから流れ出る音声が、うるさくて仕方ない。

俺にとって、誰がいつ行方不明になったかなど、全く関係のない話だ。

繰り返し放送されるその音声に、俺は今ひどくいらだっている。

もうやめてくれ。
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クルマ

クルマが不調で入院してしまった。

今の俺にとってそれは贅沢かもしれないが、ドライブだけが唯一の逃げ道だった。
運転している時の時間は、部屋でもがいている時間より数段マシだ。

そのマシな時間さえも、奪われてしまった。
退院には、1か月かかる。

絶望的な気分だ。
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太陽系

俺に、太陽は存在しない。

仮にあったとしても、それには俺を引き寄せる力はない。

ゆえに、俺は太陽系から離脱し、宇宙をさまよっているのだ。

あてもなく、ただただどこまでもさまよっているのだ。
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疲れたよ

もう疲れたよ。

どんな言葉も、今の俺には響かない。

もう疲れたよ。
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末期

俺の今の状態は、癌で言うところの、末期症状なのだろう。
もう言葉を紡ぐことも、困難になってきた。
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独房

独房に、いる気分だ。

その独房には、テレビもラジオもパソコンだってある。

外に出ようと思えば、それも可能だ。

だが一見快適に思えるその独房は、本物の独房に勝るとも劣らない苦しさを持つ。

自由と名付けられた独房に、俺はいるのだ。
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誤り

俺の人生は、誤りだらけだ。
だが、一番の誤りは、この世に人間として生まれてきてしまったことだ。
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棄権

俺は、成功も失敗もしていない。
なにしろ、何にも勝負をしていないからだ。
言い換えれば、俺は勝負を棄権し続けているのだ。
そんな人間は、何をも得ない。
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不見

俺は、軽く見られている。

正確に言うならば、軽くという副詞は正しくない。
つまり、見られてもいないのだ。

俺と相対する人間は、俺は存在していないものと認識する。
したがって、俺は見られる対象にさえならないのだ。

やはり俺は、透明な存在だ。
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不必要

俺のような、向上心やチャレンジ精神の欠片もない人間を、社会は必要としない。
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