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ステージ

俺というステージに、主人公たる俺が出る幕は無い。
なんとも矛盾しているが、それが現実であり、俺が透明な存在である証拠だ。
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地獄道

俺の人生は、地獄という時間の連なりで出来ている。

どの過去を切り取っても、そこには地獄しか存在しない。

これを書いている今という時間も、例外ではない。

俺はこの先も、地獄道を歩んでいくのだ。
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単体意識

俺には、仲間意識という代物が理解出来ない。

最近はやたらと、シェアする、というコトバが横行しているが、俺にはその概念が育まれなかった。

ゆえに痛みや喜びをシェアしましょう、と言われても、俺は手をこまねいて困惑するばかりだ。

俺は、ひたすら単体意識だ。
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歴史

健全か不健全かで言うならば、俺の心は不健全だ。

あらゆる刺激に不快感をあらわにし、頑なに心を閉じている。
それが己の首を絞める原因になっているとしても、俺はそれを実行し続ける。

なぜ俺の心が不健全になったのか、それは俺の50年の歴史を紐解かなければならない。
それを理解せずに、今の俺の言動について揶揄する人間は、何もわかっていない馬鹿だ。

まっすぐに、あるいはほぼまっすぐに育ってきた人間に、俺の歴史を紐解く手腕など無い。
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俺は、単なる一つの塊に過ぎない。

そこには、魂も情も何もかもが存在しない。

あるのは、醜い容姿と腐りきった心の破片だけだ。

俺は、ただただうごめいているだけの塊だ。
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季節

季節が変わったからといって、俺は何も変わらない。

俺は、相変わらずここに心をぶつけているだけだ。
何度も何度も、流血するまでぶつけているだけだ。

ただ、それだけのことだ。
何も変わりやしない。

世間は、なぜこうも同じようなことで、浮き立ち騒ぐのだろうか。
俺には、全く理解出来ない。
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貧心

俺の好奇心は、消え失せてしまったようだ。

着るものも、ボロボロでも何でも着衣していればかまわない。
どうせ誰も、俺のことなんて見やしない。
ファッションなどという概念は、俺の辞書にはもはや無い。

食うものも、空腹感が消えてくれれば何でもいい。
そうすることにより早死にしたって、一向にかまわない。
どこそこに新しい店が出来たからといって、どんなにその店の食い物が美味かったとしても、全く触手が動かない。
ましてや行列する気など全く起きないし、それを実行している人間が馬鹿に見える。

どこかに旅する気持ちなども、皆無だ。
見知らぬ町になど行きたくもないし、誰かと出会いたくもない。
はっきり言って、面倒だ。

このように、俺の心は貧しいものとなった。
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