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フレーズ

夢だとか希望だとか、そのような扱いやすいフレーズがこの世にはびこり過ぎている。
それらを見聞きするたびに、俺はむしろ夢を持てず、希望を見出すこともひどく困難に感じる。
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差異

大声を張り上げて己を主張するか、ひたすら隠れるか、そのどちらを選択しても、誰にも認識されない透明な存在にとっては、全く差異がない。
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銀の矢

雨音は、俺にとって決して心地よいものではない。
なぜならそれは、俺のこの腐敗した心に突き刺さりそして責め立てる、言わば銀の矢が、間断なく降り注ぐ音だからだ。
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気付き

俺には、魅力という代物が存在しない。
それは、往々にして自分では気付かないという、極めて人間的な感覚である。
だが俺は、己に魅力がないという事実に、とうとう気付いてしまったのだ。
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俺と接した人間は、俺に関する話題になると寡黙になるが、それ以外の話題になると、一転して饒舌になる。
その変貌ぶりはあたかも、陸に打ち上げられた魚と、水を得た魚のようだ。
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壊死

俺の精神は、もはや破綻をきたし、その役目を全うすることはもうないだろう。
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セールスポイント

俺という商品は、どんな剛腕なセールスマンをもってしても、一個たりとも売れやしない。
なぜなら、俺には一ミリのセールスポイントもないからだ。
そして万が一売れたとしても、瞬時に返品される運命なのだ。
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行き場

俺は、人と接すれば接するほど、劣等感だけがうず高く積もっていき、人から離れれば離れるほど、つまらない人間になっていく。
俺にはもう、行き場がない。
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