やり直し

俺は、人生をやり直したくなどない。
俺が俺である以上、やり直したところで、結果は同じだ。

俺

俺はもう、俺をやっていられない。

堕人

俺は今、どの位置にいるのだろうか。
もしどん底ならば、これ以上堕ちないという、わずかな安心感を得られる。
だがおそらく、俺はそうではなく、死ぬまで堕ち続けるのだろう。

力

俺には、力と名の付くものは、もう何もない。
強いて言うならば、それは、絶望力だけだ。

嘘

俺という人間は、嘘の上塗りで出来ている。
本当の俺など、存在しないのだ。

独房

看守さえいない、独房にいる感覚だ。

柱

俺の心は今、絶望という名の柱で成立している。
他の要素は、一切ない。

交流力

俺にはもう、他者と交流する力はない。
もし無理やりそれを行ったとしても、俺が透明な存在だという証拠が、増えるだけだ。

人形

俺は、主のいない操り人形だ。
みすぼらしく、床の上に折り重なるように、崩れ倒れている。
自らは、決して動こうとしない。
俺にはもう、魂はない。

ゼロ

俺は、ゼロにゼロを加算し続けるのだ。
その答えは、永遠にゼロだ。