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欠落

俺は、自分に欠落している部分にばかり着目している。

人は、自分に備わっているモノに気付かずに、俺のように無いものねだりをするものだ。
だが、それでも俺は、己の欠落度合いを感じざるを得ない。

俺に備わっているもの、それは何だ。
ダメだ、全く思い浮かばない。

ゆえに俺は、欠落部分に目を向けてしまうのだ。

そもそも、俺には人とのつながりが全く無い。
これは大きな痛手である。

人が持っているモノ、そのほとんどは人とのつながりの上に成り立っている。
人間一人では何も出来ないと言うのは、まさに的を得ている。

俺は、その法則に逆らって生きていかなければいけないのだ。
矛盾だらけの人生になって当然であり、もがき苦しまねばならない。

それはまるで、生きながらにして地獄の苦しみを味わうのみの人生だ。
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