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背伸び

人生において、ごまかしは効かない。

たとえば去年社会復帰した時も、俺は精一杯背伸びをして、何とか己の存在を顕著にしようとした。
自然体で臨めばよかったのだろうが、当時の俺は久しぶりの社会参加に浮足立っていた。

では自然体とは、俺にとって一体どのようなスタンスなのか。
俺の自然体は、社会に背を向けしゃがみこんでいる様そのものだ。

そんな人間を、社会は必要とするだろうか。
俺が採用する方だとしたら、真っ先に落とすだろう。

そしてそのような状況で社会復帰しても、俺のごまかしはすぐにその効果を失った。
背伸びをしても、それは決して長続きはしない。

どんなに繕っても、俺は透明な存在であり、社会に通用しない精神障害者なのだ。
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