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部屋

俺の部屋には、玄関も窓も存在しない。
通行人という他者は、その部屋に入ることも出来ないし覗くことも出来ない。
そんな部屋に、俺は何十年も身を置いているのだ。
やがて俺は、人間ではなくなるだろう。
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論理

人間にとって、家庭は最も安心出来る場である。
だが俺には、その論理は通用しない。
俺にとって家庭は、最も居心地が悪い場だ。
俺には、安心出来る場が、存在しないのだ。
にも関わらず、俺は生きていかなければならない。
それが、どれほどの苦痛を伴う作業なのかを理解することは、誰にも出来ないだろう。
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障害物

俺は、見えない障害物だ。
他者は、俺に接すると、いぶかしげに俺の方角を見るが、そこには何も見えない。
したがって、他者はそのまま俺を軽く押しのけ、何事もなかったかのように、再び歩き出すのだ。
そのことによって、俺が受ける感覚は、決して心地よいものではない。
俺はもう、それに疲れた。
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自業自得

俺がこの社会を生きていくという行為には、無理がある。
それはひとえに、俺のコミュニケーション能力の稚拙さによるものだ。
人は、人と接しなければ生きていけない。
俺は、その絶対的ルールを、強引に無視してきたのだ。
こうなったのも、当然の結果だ。
自業自得である。
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絶望力

もし俺に、他者より秀でている点があるとするならば、それは、絶望する力だ。
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生き方

俺は、いかなることでも、そのやり方がわからない。
荒っぽく言ってしまえば、生き方がわからないのだ。
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ハンコ

俺は、他者に何の印象も与えない。
そこには、プラスな印象はおろか、マイナスな印象さえも存在しない。
つまり、俺というハンコは、どんなに朱肉をつけどんなに力強く押しても、その陰影があらわれることはなく、その痕跡さえ残らないのだ。
これが俺にとって、どれほど苦痛であり生きにくいものなのか、それは誰にも理解することは出来ない。
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レバー

そこに、一つのレバーがあるとする。
そのレバーは、子供でも背が届けば容易に操作出来るものだ。
だが俺は、十分背が届いているのにも関わらず、一ミリたりとも動かせない。
俺には、そのような力が備わっていないからだ。
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屈辱

俺は一体、いつまでこの屈辱感に打ちのめされなければならないのだろう。
もうこれ以上、それに耐えられる自信は、俺にはない。
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人の一生を、一日に例えるとする。
朝から晩まで、つまり生まれてから死ぬまで、雨に打たれ続ける人間もいるのだ。
「止まない雨はない」などと、軽々しく言って欲しくはない。
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