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迷路

俺は、迷路でさまよっている。

その迷路は、俺自身が創造した出口の無い迷路だ。

いくつものトラップを仕掛け、故意に難しくした迷路だ。

俺はその迷路に、自ら進んで侵入したのだ。
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レール

俺はいつしか、人間というレールから脱線した。

それも、とても静かに誰にも気づかれないようにだ。

事実、誰も俺のその行動に気付いていない。

俺は、レールのわきでスクラップにさえされず放置された、鉄クズだ。
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カギ

俺の心には、幾重にもカギがかかっている。

俺が人と接すると、俺はその度に心のカギをかけてしまう。
俺が透明な存在であることを、悟られないようにするためだ。

そのカギがかかった扉は、もはや膨大な数で誰にも開ける事が出来ない。
しかも、かけ終えたそのカギがカギ穴に刺さった状態で、俺はカギを根元からぽっきりと折るであろう。

それほどまでに、俺は頑丈な心の扉を創造していくだろう。
そして俺はこれからも、心を閉ざし続けるだろう。
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俺は、常に地に足が着いていない。

それは一重に、人間という基礎が出来ていないからだ。

地に根を張るべき足が、俺には存在していないのだ。
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沈黙

今まで俺と接触してきた人間は、100パーセント沈黙する。

それはまるで、電源の入っていない漆黒のテレビ画面に相対している様だ。

何か番組が映し出されていれば、人は何らかの反応を示す。

つまり俺は、好感どころか嫌悪感さえをも持たれないのだ。
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退化

人は皆、歳を重ねるごとに何らかの成長を手にする。

俺が今まで接触してきた人物も見聞してきた人物も、皆そうだ。
その成長ぶりには、驚かされる。

比して、俺はどうだ。
歳を重ねても、あらゆる面で成長するどころか退化している。

その退化の進行は、とどまるところを知らない。
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印象

俺は、誰の印象にも残らない。

ゼロ秒という存在は、そういう存在だ。
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価値

人は他者に期待をした場合、裏切られると失望する。

だが俺がもし誰かの期待を裏切ったとしても、俺は誰にも失望されない。
失望される価値さえも、今の俺には無いのだ。

あの人は一体何だったんだろう、というわずかな感覚が残るだけで、それもすぐに忘却される。

透明な存在とは、そういう存在だ。
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